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2012年 10月 07日

「SILVER GELATIN SESSION」〜その2〜

どうも、こんばんわ。
前回、お約束した「SILVER GELATIN SESSION」について今回は書きたいと思います。
あくまでも、個人の感想という事で読んで頂ければと思います。
なんだか急に見てみたくなって見て来たのですが、誤解を恐れずに感想を簡単にいってしまうと
「写真家による写真家(写真をやっている人)の為の展示?企画?」
というものが正直な感想です。
写真一枚一枚のプリントはとてもきれいでとてもハイクウォリティーです。
ただ、それ以上に何かがあるかというとそれ以上のもを見つけたり・感じたりするものを見つけるのは難しいのではないかと思います。

私は以前、同じ展示で行われていた、写真家が互いにネガを交換してプリントを行うというものの方が作家性が出ていて、感じられて面白かった様に感じます。

本当に失礼ですみません。


この企画が言いたい事は分かるんですよ。
現在、写真の状況はデジカメとインクジェットプリントの発達によってフィルムと銀塩プリントを駆逐し縮小を余儀なくされている状況です。
展示の中にもありましたが、同じ光景をデジカメ+インクジェットプリントしたものとフィルム撮影+銀塩プリントしたもので見比べれば、今も銀塩プリントの方が振り幅が大きくハイクウォリティーだし、物の価値としても高い様に感じます。
(私のコレクションしている写真も現在はほとんどが銀塩プリントの物です。特にプリントの種類で決めている訳ではないのですが…。)
でも、銀塩プリントとインクジェットプリントの間にある「差」は本当に微妙です。

まぁ、芸術は細部に宿るという言葉もあるくらいですから、その微妙な差というのはある意味致命的なのかもしれません。
この差は、些細にしてこれからも絶対に越えられない大きな壁だとも思っています。
銀塩文化が写真を作って来たし培って来た伝統と技術や文化をこのまま、絶やしてしまってはもったいなと本当に感じます。
写真を展示した写真家さんのコメントのほとんどに銀塩プリントを行う過程が、自分の写真制作に大きく貢献し、支えているとも書かれていました。
今まで培って来た制作の行程という物は重要だし欠かせない物という事も分かります。
失いたくないですよね。
写真を生み出す上で本当に重要なファクターだとも思います。

でもね、それだけを全面に出しただけの展示ではつまらないですよね。
結局は何が写っているかだと思うんです。
どれだけ、見てくれた人に何かを残せる写真であるかそれが写真の価値だと思っています。

写真家ってのは技術者じゃなくて表現者なんだと思います。

なんかレーザーレーサー論争時の競泳選手達の気持ちが分かるような気がします。
銀塩かインクジェットかそんなの事よりもどういった写真なのか、それを撮っている写真家がどんな思いを持っている人なのかそういったところで判断される社会がもっと広がって行けばと思います。

そしたらこんな趣旨の展示もなくなるんじゃないかと思います。
いつかそんな日がやってきた方が、健全なような気がします。


それには銀塩・インクジェットお互いに持っているポテンシャルを最大限に引き出し、写真家の魂のこもった写真を精一杯作って行かないとだとも思います。

「SILVER GELATIN SESSION」〜その2〜_a0263110_22531920.jpg


by fire-mouth | 2012-10-07 00:12 | 展示


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