2017年 02月 23日
現在、Kalos galleryにて私の個展「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」が開催中です。今回は、この展示について、触れたいと思います。 「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」は、前回の個展「毒入りのサンドイッチ」の流れを引き継いだ物になります。 「毒入りのサンドイッチ」では、これまでの、家族という極めてパーソナルな対象から社会へと視点を広げ、社会の中で今を生きる私が、抱いた疑問や不安といった物を提示する事が出来たと考えており、私にとって大きな転換点になったと、捉えています。 その一方で、残念ながら、扱ったテーマが、あまりにも大きく、十分に自分の中でまとめあげる事が出来ず、片鱗を提示できただけだったとも言えます。 テーマの絞り込みを行い、制作を行う必要がありました。 今回の「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」はその第一歩として生まれた物です。 内容や出来については、実際の展示を皆さん目で確かめて頂ければと思います。 ここでは、制作の際に強く意識したアプローチの方法(というか自分自身に課したしばりのような物)について書きたいと思います。 先述しておりますが、ずっと、家族や身近な風景(乱暴な言い方をすれば、どこにでもある物)を被写体としていたせいもあり、記録写真と言われるものと、アートと言われる写真を自分自身が、どう差別化していけば良いのかずっと考えておりました。(ずっと、その可能性を探っていたと言っても良いと思います) その答えが今回の制作を通じて見えてきたように思います。 それは、撮った者にしか価値の見いだせない、ただの記録写真と言われるような物であっても、そこに向けられた思いが、入り込んでいればいるほど、価値の無いただの記録写真ではなくなるという事。 それは、つまりどんなに身近でありふれている被写体であったとしても、撮影者が思いを込めれば込める程、ただの記録写真と言われる物ではなくなるという事だと思います。 この糸口は「毒入りのサンドイッチ」製作中に得たものです。 意図的・作為的に撮られた写真と「これは撮らなくてはならない」と強く感じ、撮られた写真が「毒入りのサンドイッチ」の中には混じり合っていました。 「どうしても撮らなくてはならない」という思い、それを感じるか、どうか。 それを一つの物差しに「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」は撮り進めました。 そして、撮りためた一枚一枚から、メッセージを読みとり、一つの形にしたものが「景色から情景へ、そしてそれらが風景に変わる」です。 展示を実際に行い感じている事は、見る人に何かを訴える事ができる写真というのも、一枚一枚に強く撮る者の感情(メッセージ)が入り込んだ写真なのではないかと思います。(それを全面にだすか、どうかという事も写真家の力量にかかってくるのだと思います) 理屈じゃなくて。 そう思うと、今何かと話題になっているSNS上にある写真を使っての写真表現(写真家が撮影を行っていない写真表現)もそれを写真家が必要であると感じ、思いを込めてセレクトし、提示できたのであれば、それを見る人が受け止める事が出来たのであれば、ありなのではないかと、今は思う。
by fire-mouth
| 2017-02-23 18:52
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